Bさんは製造業の経営者です。新型コロナの影響で売上げが伸び悩んでいたため、ホームページを活用して新たな取引先を開拓しようと検討を始めました。そんな矢先、一部上場のホームページ制作会社から電話がかかってきました。
Bさんは、自他ともに認めるパソコンが大の苦手な経営者。そのため営業マンの提案がどれほど実現性の高いものか判断がつきません。営業マンの提案は、総額305万円という大変高価なホームページ制作でした。
難色を示すBさんでしたが、営業マンは「総額は高いですが、5年のリースを組みますから、月々の支払いはたったの5万円。毎月の広告費と思えば安いものですよ」と、言葉たくみに説得してしまいました。
完成したホームページは、さすがにプロが作っただけのことはあって、最新の動画を組み合わせた高級感あふれる素晴らしい仕上がり。でも残念ながら、ホームページからの問合せはまったくありません。
Bさんがあわてて営業マンに相談したところ、「それではネット広告を利用しましょう。弊社にはネット広告がセットになったお得なプランがありますから、ぜひそれを利用してください」との返事。その追加の広告プランが、月々7万円。毎月のホームページ制作費用の支払いが月々5万円ですから、それより高い費用がさらに必要だというのです。
そんなに高額な広告費用を支払うのは困るので、Bさんはホームページの修正を依頼しました。もっと反応がとれるように変更してほしいと、申し入れたのです。
でも営業マンは、「ホームページの修正には1ページあたり3万円いただきます」とのこと。もし5ページ修正したくなったとしたら、総額15万円の追加費用を払え、という論法です。
さすがにおかしいと思ったBさんは、サービスの解約を申し込みました。でもそのホームページ作成サービスにはリース契約が組まれていますから、もう解約できません。
営業マンに文句を言っても「そういう契約ですから」の一点張り。Bさんは結局、泣き寝入りせざるをえませんでした。
そして、見た目は格好いいものの、まったく反応がとれず、しかも更新もできない、そんなホームページだけが残されました。
Bさんはまったく商売の役に立たないホームページに、これから毎月5万円もの費用を払い続けていかなければいけないのです。